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大塚グループが追い求め続けた
「栄養の新しいカタチ」がここにある。
カロリーメイト

「バランス栄養食」として知られる、大塚グループのカロリーメイト。1983年に液体タイプ(缶)とブロックタイプが同時発売されたが、先行して開発が進められた液体タイプには、じつはルーツとなる製品があった。ハイネックス-R という名を持つその製品は、医療用の濃厚流動食品である。手術後など通常の食事が摂れないときの栄養補給には、一般的には点滴を使う。しかし、口からバランスの良い栄養を摂ることによって早期の社会復帰に貢献することができるのではないか。そんな着想から始まったハイネックス-R の開発は、カロリーメイトの誕生へと続く、大塚グループの「栄養の新しいカタチ」を追い求める第一歩であった。

点滴に次ぐ栄養補給を経管・経口栄養食に定め、研究者は消化や栄養バランスについて徹底的に探求した。専門医との研究会。臨床データの収集。試行錯誤の末、日本人になじみの深い米由来の原料を使った粉剤タイプのハイネックス-Rを1979年に発売。経管・経口栄養食のカテゴリーに新たな提案を行った。しかし、バランスのよい栄養が必要なのは病気の人だけではない。人々の日々の健康維持にも必要なのではないか。その思いからハイネックス-Rを礎に開発を進め、5大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく含み、しかも誰もが摂りやすいカロリーメイトの液体タイプが完成した。

一方で、「朝食」をコンセプトとした製品の検討も行われていた。高度経済成長期以降、人々は多忙な生活を送るようになり、朝食欠食という問題が社会に広がり始めたことから、「すばやく摂れる栄養バランスのよい朝食」を目指しながら「どこでも食べられる手軽さ」を同時に追求し、ブロックタイプが完成した。効率のよい栄養補給に着目した液体タイプと、「忙しい時の朝食」をコンセプトとしたブロックタイプ。いずれも5大栄養素をバランスよく含みながらおいしく手軽に摂れる日本初の栄養調整食品として、1983年に同時発売された。

バランス栄養食。カロリーメイトのコンセプトは明確だった。しかし、1980年代の日本には、一人ひとりが自身の健康を管理するセルフメディケーションの概念はまだ普及していなかったことから、まずは「スポーツ」に着目した。競技団体やアスリート、研究者たちに製品の特長を繰り返し説明し、実際に選手に使ってもらうだけでなく、共同研究や様々な試験のデータからエビデンスを積み上げていく。また、全国に配置された販売促進担当者は、カロリーメイトを必要とする人や場面を模索し、栄養補給の重要性とバランス栄養食の普遍的な価値を伝えるために、日本中を駆け回った。カロリーメイトは絶対に人々の健康に役立つ。そんな信念があったからこそ、会社が総力をあげて世に出した製品だったからこそ、諦めずに続けられたのだ。

1991年。発売以来徐々に上がっていたカロリーメイトの売り上げが爆発的に伸びる。そのきっかけは、ダイエットブーム。「摂取カロリー」を明確にしつつ必要な栄養素が摂れるカロリーメイトは、健康的に体重のコントロールをしたいという女性の支持を集め、一気に人々の生活に浸透していった。この経験は、バランス栄養食にまだまだ大きな可能性があることを教えてくれた。受験勉強のパートナーとして。災害時の備えとして。高齢者の栄養補助として。確かなエビデンスのもと、大塚グループが生み出した「栄養の新しいカタチ」は、これからもさまざまな場面で人々の暮らしを支え続けていくだろう。