生活者が気付いていないニーズへの取り組み
ニュートラシューティカルズ(Nutraceuticals)とは、Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品)から作られた言葉です。人々の日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料がそう呼ばれています。「健康」は世界中の人々の普遍の願いです。医療技術の進展、公衆衛生の向上が世界的な平均寿命の延伸を実現した一方、少子高齢化の進展、生活習慣病の増加などの新たな健康課題が顕在化しています。大塚グループの「ニュートラシューティカルズ関連事業」では、世界中の人々をより健康的でアクティブにする製品を提供できるよう、医療関連事業で培ったノウハウを活かした科学的な根拠に基づく独創的な製品の開発を行っています。日々の健康の維持・増進をサポートする製品・サービスの展開に加え、健康啓発活動を行うなどして、Access to Nutritionに取り組んでいます。
47都道府県と連携した健康維持・増進の取り組み
日本の医療費高騰、高齢社会等の背景のなか、大塚グループでは、社会と連携しての健康維持・増進の取り組みや防災、災害支援活動を進めています。大塚製薬は、47都道府県をはじめとする全国の自治体と健康に関する包括的な連携協定を締結し、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業で培ってきた健康情報やノウハウを活かした取り組みを実施しています。日々の健康維持・増進や疾病管理、さらには災害時の健康支援など、地域ごとに異なる課題に対してトータルヘルスケア企業として幅広く専門的な情報等を提供し、地域の方々と共に健康づくりを推進しています。
水分補給の重要性を伝える活動
大塚製薬は「ポカリスエット」発売当初からさまざまなシーンにおける「水分・電解質補給の重要性」の訴求を行ってきました。1991年の日本体育協会(現:日本スポーツ協会)「スポーツ活動における熱中症事故対策に関する研究班」の設置がきっかけとなり、1992年から熱中症を知って防ぐ活動への協力が始まりました。以来、子どもたちのスポーツシーン、職場での労働安全衛生、高齢者の水分補給などとテーマを拡大し、情報提供を行っています。また、自社ウェブサイトの「熱中症からカラダを守ろう」という情報提供ページ、日本スポーツ協会発行の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」に基づく内容を掲載した啓発ページを通じた情報提供や、気象予報士と共同で制作した「熱中症予防情報」サイトなどを通じ、熱中症対策・予防啓発のさらなる充実を図っています。
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「生きる」ために必要な水分・電解質補給から、世界の人々の健康をかなえる
女性の健康啓発活動
大塚製薬は、女性が活き活きと活躍するためには、女性自身やその周りの人々が女性のライフステージごとの心身の変化を理解し、各人に合った対処法の選択をすることや、環境作りが重要だと考え、さまざまな方法で情報を提供しています。2015年より全国で「女性の健康」に関するセミナーを開催。さらに、地域の健康サポートを行う薬剤師などを対象にしたOATHAS(ヘルシーエイジングサポーター養成プログラム)では、サポートに必要な知識だけではなく、実践技能も習得できる機会を提供しています。そのほか、自社ウェブサイトでは、情報サイト「女性の健康推進プロジェクト」「更年期ラボ」「PMS※1(月経前症候群)ラボ」を開設し、より広い世代の女性に寄り添いながら、日々の健康をサポートする取り組みを行っています。
- ※1PMS(premenstrual syndrome)
女性の健康に関する取り組みが評価
大塚製薬は、2023年2月に公益社団法人消費者関連専門家会議(ACAP)が主催する「第8回ACAP消費者志向活動表彰」において、女性の健康に関するヘルスリテラシー向上の取り組みが評価され、「消費者志向活動章」を受賞しました。
「大塚製薬」女性の健康推進プロジェクト チームメンバー
私たちは「女性の健康を考える日常の醸成」をミッションとして、女性の健康について「もっと早く知りたかった」といった声をなくすべく、「エクエル」や「トコエル」などの研究開発で得られた知見を活かした情報提供や啓発活動を行っています。
女性の心と身体は、女性ホルモンの影響を受けます。1カ月ごと、さらには一生の間にも大きな波が訪れます。けれど、女性ホルモンは健康と美を支える大事なパートナー。だからこそ、女性ホルモンの働きについて知ってほしいと思います。女性ホルモンについて「理解」している人は、食事・運動・睡眠に気を配ったり、サプリメントや医薬品を活用したりするなどの「行動」に移していることが、調査でも明らかになっています。ヘルスリテラシーが向上することで、我慢せず、あきらめずに対処する女性が増えると確信し、出張セミナーの実施やさまざまなコンテンツの提供により、女性が活き活きと生活でき、パフォーマンスを発揮することを応援しています。
女性ホルモンに翻弄される時代からコントロールする時代に向け、女性の健康推進プロジェクトは一人ひとりに寄り添い自分らしく、美しく、心地よく前を向ける日常をサポートしていきます。
健康的な食品や家庭の栄養アクセスを支援:
「ネイチャーメイド」を製造販売している米国ファーマバイト社では、NPO法人 Feed the Childrenと連携し、2019年から3年間にわたり製品の提供や健康支援を行っています。このパートナーシップの中で、約1,500万個の子ども用チュアブルマルチビタミンを寄贈しました。また8,800世帯に2年分の子ども用ビタミンサプリメントを届けました。その他、「ネイチャーメイド」の登録栄養士が現場で栄養教育を行い、栄養不足を補う方法をご家族に伝えるなど、多様な取り組みを行っています。具体的には、COVID-19の影響で学校の閉鎖、再開といった困難な環境下に置かれた教職員、学童を対象に健康的な学習環境を支援するための寄付と製品提供を2021年から実施。これまでに400万ドルの寄付と700万ドル相当の製品提供を実施。2022年には、SNSを介して5万ドルのファンドレイズも行われました。
プラントベースフードで学ぶSDGs教材:
大塚食品では動物性原料でなく植物由来の原料を使用した大豆ミート製品を販売しています。これらプラントベースの製品は動物性の食品に比べ、環境負荷が小さくサステナブルな製品として注目されています。また、次世代を担う小学生のSDGsに関する学習を支援する教材として「プラントベースで学ぶSDGs」教材を株式会社学研プラスと共同制作し提供しています。
健康に関する啓発活動
OTSUKAまんがヘルシー文庫
「OTSUKAまんがヘルシー文庫」は、次の世代を担う子どもたちの健やかな成長や健康づくりを願い、1989年に創刊されました。子どもたちに基本的な健康の知識を広くわかりやすく伝えるため、体の仕組みや栄養の情報などを「まんが」の形で紹介。日本医師会と日本学校保健会の監修、日本小児科医会の推薦を得て、毎年テーマを変えて1巻ずつ発行し、全国の小学校や特別支援学校、海外日本人学校、公立図書館などに寄贈※しています。
各年のテーマは、学校現場の要望や学校保健に携わる組織の意見を受けて決定。さまざまな分野の専門家の協力を得て、正しく的確な健康情報を楽しく子どもたちに届けるように工夫しています。また、学校における健康教育に役立てていただけるよう学習指導要領との対照表を作成し、日本学校保健会と共催で「健康学習活用研修会」を開催して活用の提案や意見交換するなど、創刊から30年以上を経た現在も進化を続けながら、健康価値をより伝える取り組みを行っています。
※年間約2万3千冊