社長メッセージ

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新型コロナウイルス感染症による影響を受けられた方々に
謹んでお見舞い申し上げます。
また、医療関係者の皆さまやさまざまな場所で社会を支えてくださっている方々に、
心より敬意と感謝の意を表します。

世界はいま「変革の時代」を迎えています。地政学的リスクの拡大、AIやICTの進化、世界的な環境 保全意識の高まり、先進国における少子高齢化の進展など、経済と社会の在り方を根底から変えるメガ トレンドが着実に進行しています。また新型コロナウイルスの感染拡大により、「リモート」を基軸とする新たな生活様式や就労スタイルが浸透・定着してきました。
大塚グループは、こうした経営環境や市場ニーズの変化をしっかりと見据えながら、さまざまな社会課題の解決に貢献する製品・サービスの創造に取り組んでいます。新たな価値を社会に発信・提供することを通じて、健康を願う人びとの思いに応え、社会に役立つ企業グループとなること──。
それが創業100周年を迎える大塚グループの不変の使命であり、存在価値だと考えています。

Q1. 大塚グループでは、中長期的にどのような方向を目指しているのでしょうか?

現在もそして将来も世の中の役に立つ会社でありたいと考えています。そうでなければ企業として存在する意味がありません。
大塚グループは、ユニークかつ多彩な事業の交わりやアセットの融合、そして顧客インサイトの先にある真のニーズとテクノロジーやサイエンスを有機的に結合させ、新しいコンセプトや製品を創造してきました。また、多様な事業と重なりあう領域、派生する領域、あるいはニッチな領域を開拓し、新しい価値を創造することで、健康に関するアンメット・ニーズや潜在的なニーズに応えてきました。
こうした沿革や強みを踏まえ、第3次中期経営計画(2019~2023年度)では「独自のトータルヘルスケア企業として世界に躍進する」ことを掲げました。日々の健康の維持・増進から疾病の診断・治療まで、ヘルスケアのあらゆる領域で独自の価値の創造に継続して取り組んでいきます。
中長期的にも、トータルヘルスケア企業ならではの我々の強みを活かし、10年後、20年後、さらなる先の社会や経済を展望しつつ、大塚グループだからこそ生み出すことのできる画期的な製品やサービスを通じて、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指しています。

Q2. 2021年に創業100周年を迎えます。この100年を通じて、大塚グループとして「変わってきたこと」、そして「変わらないこと」は何でしょうか?

 私が入社した1977年当時、大塚グループの売上高は約960億円でした。2020年12月期の売上収益は1兆4000億円を超えています。国内外の活動拠点は大幅に拡大し、また売上の伸長に伴って経営体制も整備されてきました。少子高齢化やライフスタイルの変化等を背景にヘルスケアに対する人びとのニーズは大きく変容する中、大塚グループは自分たちの強みや弱みと向き合いながら、事業を推進してきました。自社にとって、強みであるものは、驕ると弱みにもなりえます。逆に弱みと見えるものも、それを理解することで強みにもなりえるかもしれません。大塚では、既成概念や固定観念にとらわれないで、新しいものを否定せず、まずは受け入れて実行してみることで、新たな価値の創造につなげてきました。現状に慢心することなく、注意深く時代の変化をとらえ、柔軟に対応して進化を遂げてきたことが創業から100年にわたり事業が継続できた最大の要因だと認識しています。
一方、変わらないものは、土台となる物事の考え方です。大塚グループは現在まで「流汗悟道」「実証」「創造性」という歴代の経営者が残した大きな3つのメッセージを不変の企業文化として継承してきま した。「流汗悟道」は単なる知識だけではなく、自らが汗を流し実践して感じる中で本質をつかむこと、「実証」は物事を成し遂げ、完結することで自己実現、そして真理に達すること、そして「創造性」は真似をせず大塚にしかできないことを追求することです。言葉では簡単に表現できますが、いざ実行に移すとなると容易ではありません。例えば「創造性」は、ゼロから何かを生み出すのみならず、既存のアセットを越えた活かし方で、いかに新たなものを生み出せるのかということも含まれます。そして、「流汗悟道」「実証」「創造性」は互いに関係しています。自分たちで必死に考え抜き、仮説を立てて実行し最後までやりぬくことは「流汗悟道」「実証」とともに「創造性」にもつながるのです。
いまやブロックバスターとなっている「サムスカ/ジンアーク」も、試行錯誤を繰り返しながら、さまざまな障壁を乗り越え誕生しました。「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を日々実践する姿勢は大塚グループの企業文化として今も生き続けています。

  • 流汗悟道 単なる知識だけでなく自らが汗を流し実践して感じることの中に本質がある
  • 実 証 物事を成し遂げ完結することで自己実現そして真理に達する
  • 創造性 真似をせず大塚にしかできないことを追求する

Q3. イノベーションを生み出し続けるため、どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

具体的な施策の基盤となる、イノベーション創出のための取り組みにはふたつの視点があります。
第1の視点は人材です。大塚グループでは創業から今日まで、豊かな創造性を持った先人たちが市場ニーズを先取りする製品を創造し、会社の成長を牽引してきました。大規模な企業集団となったいま、社員の意識も当然変化していますが、私が常日頃から彼らに言うのは「自分で考えて、自分で問題を見つけてほしい」ということです。だからこそ、革新的なものが出てくる。それが大塚グループであると私は思っております。
第2の視点は、新たなイノベーションを生み出すための仕組みです。そのため、グループ内そして社外とのコミュニケーションの積極的な促進、固定観念にとらわれない職域や領域を超えたネットワークの構築は欠かせません。また、これにより生まれた新たなアイディアを、まず試してみることを厭わない風土も必要です。たとえ、その挑戦が失敗に終わったとしても、失敗から学び、次の挑戦に活かしていくことが重要であるからです。
私は、社外からみたときに「大塚はわくわくする会社だ。大塚から次に何が出てくるのか楽しみだ」といわれるような会社でありたいと考えています。個があってこそ組織が存在できます。そのため、個々人がやりたいことをエキサイティングにトライできる会社であること、それがひいてはイノベーションを生み出せる組織へもつながってくると信じています。

Q4. 大塚グループが今後も持続的な成長を実現していくために必要なものは何でしょうか?

「品質」へのこだわりは、創業者の大塚武三郎が1946年に注射薬の製造販売を開始するにあたり、販売に従事する人々の必ず実行すべき事柄として「品質は工場の生命にして 包装も亦品質なり 買う身になりて 造れ売れ」と書に示して以来、受け継いできた精神です。しかし大塚グループにおける「品質」とは単に製品の品質を指すものではありません。バリューチェーンのすべての段階で追求するテーマであり、経営の質も含めたグループ全体が目指すべき永遠のテーマだと考えています。
私たちは企業理念のもと、社会課題の解決を目指し、人々の健康に貢献すべく事業を行っています。
人々の健康維持・増進や疾病治療に貢献することが大塚グループの果たすべき使命です。このように事業を通じて社会課題の解決を目指す姿勢は、現在世界中で取り組みが進むSDGsの方向性とも合致しています。
また近年特に「環境」への取り組みは、世界共通の最重要課題として認識され、企業にも解決に向けたアクションが強く求められています。大塚グループでは「気候変動」「資源共生」「水資源」といったマテリアリティ毎に定めた2030年目標のもと、グループ全体で協働して、事業成長と環境保全の調和に努め、サステナブルな社会の実現に向け取り組んでいます。

Q5. 大塚グループにおけるコーポレートガバナンスの考え方について教えてください。

企業統治において重要な要素は、機関設計、内部統制、そして経営の透明性です。
機関設計は、取締役会や監査役会といった機関をどのように構築し、運営していくかということです。大塚ホールディングスの取締役会では、多様なバックグラウンドを有する4名の社外取締役からもさまざまなご意見をいただき、多様な視点で活発なディスカッション、そして迅速かつ公平性のある意思決定ができています。また取締役の業務執行や事業の状況については、監査役と内部監査部、内部統制部などの関連機関、会計監査人が緊密に連携しながら、適切に監査、モニタリングを行っています。
内部統制については、グループ全社を対象に、事業資産の保全や情報セキュリティの確保、BCP(事業継続計画)の策定と実行といった、さまざまな取り組みを進めています。多様な事業をグローバルに展開する中で、コンプライアンス(法令遵守)の取り組みは特に重要なテーマだと考えていますので、組織体制と教育の両面で徹底を図っています。
経営の透明性については、コーポレート・ガバナンス・コードに基づき、ガバナンス体制の整備や適切な情報開示を進めており、株主や投資家を含む外部ステークホルダーの皆さまとも引き続き積極的な対話をさせていただきたいと思っています。

Q6. 100周年を迎えるにあたり、ステークホルダーの皆さまへのメッセージをお願いします。

大塚グループは2021年9月に創業100周年を迎えます。1世紀の長きにわたり事業を継続し、世界32ヵ国・地域で約4万7000名の従業員が働く企業グループに成長できたのも、ステークホルダーの皆さまのご支援の賜と、深く感謝申し上げます。
世界の経済、社会は変化の只中にあります。新型コロナウイルス感染拡大は、従来から指摘されていた社会課題を増幅させるとともに、新たな課題をも突き付けています。俯瞰的に事業を見つめ直し、変化に柔軟に対応することが求められており、ニューノーマルという環境への順応と同時に新たな可能性の模索が必要になっていると感じています。我々は今こそ「独自のトータルヘルスケア企業」として真価を発揮するときであると考えています。ニューノーマルにおける新たなニーズにも応えるべく、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide” という不変の企業理念を胸に、さらなる高みを目指してまいる決意です。ステークホルダーの皆さまにはなお一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2021年6月10日
代表取締役社長 兼 CEO

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