担当役員メッセージ

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ウェルビーイングの提供を通じて持続可能性を追求し、大塚グループの存在価値を高めていきます

サステナビリティ経営の目的と目指すもの

大塚グループは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”という企業理念のもと、革新的な製品・サービスを通じて人々の健康とより良い日常に貢献することを使命としています。こうした価値創造の根幹には、社会課題の解決と企業の持続的成長を両立させるという、我々のサステナビリティ経営(「図.1参照」)の目的が据えられています。
昨今、気候変動、資源の制約、人口構造や医療ニーズ、および健康への価値観の変化、人権問題、地政学リスクの高まりやサプライチェーンの複雑化および寸断リスクなど、我々を取り巻く社会課題は多様化し、かつ加速度的に変化しています。このような課題に対し、「事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、自らの持続的な成長と健康でサステナブルな社会の実現を目指す」というサステナビリティミッションを掲げ、経営の中核に位置付けています。
また、「長期的視点に立った価値創造」と「社会との共生」を、我々は経営判断の重要な拠り所としています。いずれもサステナビリティミッションと融合しており、意思決定のプロセスにおいて、環境・社会・ガバナンスにおける先を見据えた視点を取り入れています。こうした視点を経営に組み込むことで、短期的な成果にとどまらず、社会の変化を先取りし、持続可能な成長機会を創出する柔軟性と先見性を備えた意思決定が可能になると考えています。
加えて、気候変動をはじめとした様々な社会課題は、我々の事業活動と密接に関わっており、それらにどう向き合うかが企業価値を高めるための重要な経営課題であると捉えています。従って、当社グループの持続的成長を実現するために、社会課題の解決にとどまらず、変化する未来に向けて進化し、新しい価値を提供するべく我々は挑戦を続けてまいります。

大塚グループのサステナビリティ経営

ガバナンスと透明性の確保

サステナビリティ経営が実効性を備えるためには、強固なガバナンス体制が不可欠です。当社グループでは、取締役会の監督機能を強化するとともに、サステナビリティ推進委員会を中心としたグループ横断的な組織体を構築しています。ここでは、2024年に特定したマテリアリティ(「図.2参照」)ごとの活動目標の進捗管理と、必要な施策の立案と推進を行っています。本体制をサステナビリティ経営のプラットフォームと位置づけ、今後もさらなる組織体の活動の広がりと深化を図っていきます。
また、情報開示においては、単なる規制対応にとどまらず、変化する社会に適応し、我々が持続的な成長を実現するための変革を促すものと捉え、国際的枠組みに準拠した透明性と信頼性の高い経営を推進しています。

大塚グループのマテリアリティ

人的資本の強化

マテリアリティは、当社グループがトータルヘルスケア企業としての責任を果たすうえで、特に優先すべき重要項目です。
中でも人的資本は、イノベーション創出の源泉であり、当社グループの経営戦略の中核を担う最も重要な資産です。当社グループでは、戦略的な人的資本への投資と組織基盤の強化に向け、人事部門と経営組織の連携と、KPIマネジメントを通じたデータに基づく人事施策の高度化を進めています。
その一環として、当社グループでは個々の能力や志向に応じた成長機会の提供と、組織全体の生産性向上を両立させる人事戦略の実現を目指し、従業員のスキルやキャリア志向、エンゲージメントの可視化を目的とした人財データベースの整備や、ピープルアナリティクスを活用した配置・育成の最適化を進めています。
また、世界的なビジネス環境の変化やデジタル化、イノベーション創出の観点から、次世代の事業や経営を担う人財の育成にも注力し、選抜型の研修やマインドセットを促すプログラム、リスキリングの機会などを提供しています。
これらの取り組みを通じて、多様性と強靭さを兼ね備えた人財基盤を築き、グループのさらなる成長を力強く支える人財を育成していきたいと考えています。

職場環境の整備

大塚グループはこれまで、企業文化である「流汗悟道」「実証」「創造性」を礎に、独自の価値を創出し続けてまいりました。今後、さらなる事業拡大と多様化が進む中、企業文化をグループ全体に深く根付かせていくことは、持続的成長の基盤として極めて重要な要素です。また、当社グループは、すべての従業員が安心して意見を述べ、互いの違いを尊重しながら協働できる職場環境の整備を重視しています。一人ひとりが尊重される職場環境は、従業員のエンゲージメントを高め、組織力の向上に繋がると認識しています。
こうした認識のもと、第4次中期経営計画では、主要事業会社の人事担当者を中心に、グループ横断的なタスクフォースを立ち上げました。このタスクフォースでは、各社が業種業態を超えて企業理念や企業文化に対する価値観を共有し、企業文化の浸透や従業員エンゲージメント向上の重要性に対する共通理解の醸成、各事業会社における活動事例の共有、共通の調査・評価方法の確立などに取り組んでいます。
また、人権の尊重はグローバル企業としての基本的責任であると同時に、創造性と持続的成長の基盤でもあります。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、従業員の多様性と包摂性の確保を目的に、サプライチェーンにおける人権リスクの評価の実施や、定期的な従業員意識調査の実施、調査結果の経営陣・部門長に対するフィードバックや、結果に基づく施策を講じています。心理的安全性の確保は、自由な発言や挑戦を促し、組織内に活発なコミュニケーションと新たなアイデアを生み出します。企業理念・企業文化の浸透によるエンゲージメントの向上と人権が尊重される職場環境の整備により人的資本を強化し、グループとしての競争力の強化と企業価値の最大化に向け、邁進してまいります。

未来に向けて

大塚グループは、これからも企業理念のもと、サステナビリティを軸とした経営を推進してまいります。変化の激しい時代においても、我々は、イノベーション創出力の強化を通じて、柔軟かつ果敢に挑戦を続け未来の健康課題に先んじて応える製品・サービスを生み出し、社会とともに成長する企業であり続けます。
ステークホルダーの皆さまにおかれましては、今後の大塚グループの歩みにぜひご期待いただき、引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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