サステナビリティ 担当役員メッセージ

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事業を通じて社会課題の解決に取り組む

大塚グループは、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”という企業理念のもと、革新的で創造性に富んだ医薬品や機能性飲料・機能性食品などの幅広い製品・サービスを通じて、世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業を目指して事業を展開しています。この企業理念の実現こそが大塚グループが考えるサステナビリティであり、企業理念のもと、自らの持続的成長を図り、事業を通じた社会課題の解決を実現するという考え方が基本姿勢です。大塚グループのこれら持続的成長への姿勢をより明確にするため、2019年の第3次中期経営計画発表時にサステナビリティミッション、大塚グループが重点的に取り組むべき課題であるマテリアリティ(重要項目)を公表しました。マテリアリティは、社会課題や多様な事業を持つ大塚グループの特性や強みなどを踏まえ策定しており、各マテリアリティの目標に向かって、グループが協働で取り組みを行っています。

アンメット・ニーズの解決に向けて

大塚グループは、アンメット・ニーズ解決への貢献を重要な使命の一つとして世界の人々の病気の予防、治療から健康の維持・増進に貢献すべく日々活動を行っています。感染症の蔓延、不十分な医療環境、効果的な治療法の欠如、栄養不足など、世界にはいまだ多くの健康課題が山積しています。それらの解決に向けて常に、「私たちにしかできないことは何なのか」を問い、まだ満たされていないニーズの解決に向けて活動しています。医療関連事業の取り組みの一例が、三大感染症の一つである「結核の撲滅」です。結核は、新型コロナウイルス感染症と同様に世界での年間死者数の多い感染症であり、年間150万人が亡くなる深刻な公衆衛生上の課題です。*1、2 途上国での感染が多く、経済的な理由による医薬品のアクセスの格差を解決すべく、世界中のさまざまなパートナーと提携し薬剤を届ける取り組みを継続しています。また、NC関連事業では、医療関連事業で培ったノウハウを活かした、科学的な根拠に基づく独創的な製品の開発に加え、健康の啓発活動にも継続的に取り組むことで、Access to Nutritionに関する課題解決にも取り組んでいます。

1 World Health Organization. Global tuberculosis report 2021
2 World Health Organization. Coronavirus disease (COVID-19) dashboard

企業の持続的成長のために欠かせない「人材」と「品質」

企業の持続的な成長のためには、次世代を担う人材の育成が欠かせません。大塚グループでは、多様な社員の活躍が、イノベーションやグローバル化をより進展させるという考えのもと、従来よりさまざまな社員の登用を行ってきました。そして、社員のさらなる活性化と能力開発を目指し、グループ横断の人材交流や研修なども行っています。また、グローバル市場で事業活動を行う大塚グループの行動規範として策定した「大塚グループ・グローバル行動規準」でも人権や多様性について言及しており、2016年人権・労働・環境・腐敗防止の10原則を謳う「国連グローバル・コンパクト」、2017年「女性のエンパワーメント原則(WEPs*3)」にも署名し、社会的責任を果たすことをあらためて表明しました。さらに、2021年には「大塚グループ 人権方針」を施行し、人権尊重に向けてグループで取り組みを行っています。また、「品質」へのこだわりも創業時から受け継がれてきた重要な精神です。大塚における「品質」とは、研究開発から生産そして流通や顧客への責任を含むバリューチェーンのすべての段階で追求するテーマであり、経営の質も含めたグループ全体が目指すべき終わりがない課題だと考えています。

3 Women’s Empowerment Principles

2050年環境ビジョン「ネットゼロ」表明

事業を通じた社会課題の解決を目指す大塚グループでは、気候変動などのさまざまな環境課題が深刻化する中、事業活動におけるすべての環境負荷をゼロにする、2050年環境ビジョン「ネットゼロ」を2021年に新たに掲げました。本ビジョンのもと、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ウォーターニュートラル」を環境におけるマテリアリティと定め、「2028年目標CO₂排出量を2017年比50%削減」をはじめとした新たな中期目標を設定、また、「大塚グループ プラスチックステートメント」の目標を、2030年までにPETボトルにおけるリサイクル原料および植物由来原料の使用割合100%に上方修正しました。大塚グループでは、2050年環境ビジョン「ネットゼロ」の達成に向け、グループ一丸となって大塚ならではの取り組みを推進し、次世代につなぐ持続可能な社会の実現を目指してまいります。

グループのコーポレートガバナンスのさらなる強化に向けて

今後も大塚グループがステークホルダーの皆さまから必要とされる企業であり続けるためには、強固なガバナンス体制が必要です。大塚ホールディングスでは、企業理念の実践を通じて、持続的かつ中長期的な企業価値の最大化を実現するため、透明性・公平性を保ちつつ、迅速な意思決定を行うとともに、すべてのステークホルダーとの対話により、信頼に応え社会的責任を果たしていくことをコーポレートガバナンスの基本方針としています。ホールディングス設立時より、ガバナンス構築に尽力してまいりましたが、2020年7月よりエンタープライズリスクマネジマント(ERM)を導入するなど、さらなるガバナンスの強化に向け取り組みを進めています。

サステナビリティ推進体制

サステナビリティ実現に向けた取り組みは、事業そのものであり、社員一人ひとりが取り組むべきものであると考えています。そのため、大塚グループでは、組織横断的な推進体制である「大塚グループ サステナビリティ推進委員会」を設置し、サステナビリティ推進に向けて、グループ協働で取り組んでいます。本委員会は、2018年に発足し、グループ全体のサステナビリティに関する方向性や計画などを討議・決定しています。サプライチェーン、環境、人事、総務、コンプライアンス・リスク管理、広報などのサステナビリティに関わる領域のグループ責任者で構成され、2021年から、新たに生産、品質の担当者も委員会メンバーに加わりました。委員会では、サプライチェーンや環境、人権など各領域の担当者がサステナビリティに関する取り組みや進捗を共有し、関係者全員で議論する場となっています。また、サステナビリティに関する外部環境や社会からの要請などが日々大きく変化する中、最新の知見に関する外部有識者による講演やディスカッションの機会も設けています。大塚グループはこれからも、企業理念のもと自らの持続的成長を図り、事業を通じた社会課題の解決を実現すべく活動を推進してまいります。

統合報告書2021年をご参照ください