担当役員メッセージ

人々のWell-being向上に資する事業を通じた企業価値の向上
大塚グループにとってサステナビリティとは、事業活動を通じた社会価値の創出と持続的な成長を実現するための経営の基盤です。“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”という企業理念のもと、各ステークホルダーと連携し、人々のWell-being向上に資する価値を提供し続けることこそが、当社グループの本質的な役割であり、その積み重ねが中長期的な企業価値の向上につながると考えています。
私たちは、健康に関する製品の提供にとどまらず、日々の健康増進や心の充足、さらには社会的なつながりに至るまで、人々の生活全体を支える「トータルヘルスケア」を企業活動の中核に据えています。一人ひとりの人生に寄り添い、その時々の状況や価値観に応じたよりよい選択肢を提供し続けることで、社会にとって真に必要とされる存在であり続けることを目指しています。
また、こうした価値の創出を確かなものとするため、健全で透明性の高い事業プロセスの構築を重視しています。ガバナンスの強化は、経営の実効性と信頼性を高め、長期的な価値創造を支える重要な基盤です。今後も、適切なガバナンス体制のもと、明確なプロセスに基づいた意思決定と誠実な事業運営を徹底し、社会とともに持続的に成長する経営を推進してまいります。
サステナビリティ経営の着実な推進
大塚グループは、2018年度にサステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティを経営の中核に据えた取り組みを継続的に進めてきました。当社グループの特長は、各事業会社がグループとしての方向性を共有し、それぞれの強みや事業特性を活かしながら、相互に連携した組織体において施策の立案・実行を進めている点にあります。こうした現場に根差した取り組みを積み重ねることで、社会価値と企業価値の双方の向上を図っています。
本委員会では、各事業会社による活動状況や論点を集約し、当社グループ全体として取り組むべき重要課題について報告・議論を行っています。人権、環境、サプライチェーン管理、顧客対応、従業員エンゲージメントなどの分野において、グループの明確な方向性を打ち出し、事業会社間の連携を通じて、実効性ある取り組みを着実に進めています。
これらの活動を支えるのは、経営と現場をつなぐ透明性と実効性を重視した意思決定プロセスです。委員会やタスクフォースでの検討内容や進捗を含めた主要事業会社のサステナビリティ活動の状況については、当社取締役会、および指名・報酬委員会において、年に一度、報告・審議されています。加えて、各社の活動状況の評価を事業会社の取締役報酬に反映させることで、各社役員がサステナビリティの目的と経営上の重要性を十分に認識し、自らの責任として主体的に活動を推進する体制を整えています。
今後は、サステナビリティを個別施策の集合として捉えるのではなく、グループの中長期戦略とより強く結びつけ、明確な方針と優先順位のもとで取り組みを進化させていきます。社会課題への向き合い方や価値創造の考え方を一層明確に打ち出すことで、社内外のステークホルダーとの対話を深め、信頼に支えられた持続的な成長を実現してまいります。
「人」は価値創造の源泉──エンゲージメントを動力に人的資本経営を加速
大塚グループにとって「人」は、イノベーションを生み出し、事業戦略を実行していくうえでの基盤であり、価値創造そのものの源泉です。従業員一人ひとりの能力や個性が最大限に発揮されてこそ、持続的な事業成長と社会価値の創出は実現できると考えています。
こうした認識のもと、当社グループが特に重視しているのが、従業員エンゲージメントの向上です。自らの業務の意義を理解し、成長を実感できる環境が整ってこそ、挑戦への意欲や主体的な行動が生まれ、組織全体の活力につながります。
その実現に向けた取り組みとして、2025年よりグループ共通のアセスメントを導入し、統一的な運用を開始しました。これらの結果は、単なる現状把握にとどめることなく、人事制度や組織体制の見直し、さらにはマネジメントの在り方そのものを変革するための経営基盤として活用しています。実際に、アセスメントを実施した事業会社の管理職に対しては、経営陣自らがエンゲージメントの重要性や目指す姿を発信しています。こうしたトップコミットメントに基づく対話は、今後さらに広げていきます。
また、多様な人財がそれぞれの強みを発揮できる環境整備も、人的資本経営を進化させるうえで欠かせません。当社グループは海外事業会社数が国内を上回っており、日本、米国、欧州、アジアなど各国・地域の文化や人事施策を尊重しつつ、グローバル規模で人事担当者が連携・討議を重ね、人財開発をはじめとした連携を強化しています。重要ポストについてはサクセッションプランを策定し、採用から育成、キャリア形成に至るまでを計画的かつ継続的に実行しています。
なお、従業員が生き生きと健康に働くためには、心理的安全性を基盤とした職場環境の整備が不可欠です。多様なバックグラウンドを持つ従業員が率直に意見を交わし、違和感を覚えた際には速やかに声を上げられる環境は、持続的な価値創造の基盤となるものです。人を起点とした経営の深化を通じて、当社グループ全体の競争力と価値創造力の向上に努めてまいります。
サステナビリティは企業の「品格」──未来へ向けて
大塚グループには、「流汗悟道」「実証」「創造性」という3つの言葉に象徴される独自の企業文化が脈々と受け継がれています。自ら汗を流し、現場で向き合い、誰も挑んだことのない領域に踏み出していく──これらは単なる精神論ではなく、当社グループが事業を通じて社会に価値を提供し、成長を遂げてきた原動力そのものです。私は、この企業文化を従業員一人ひとりが日々の判断や行動の拠り所とし、困難な局面においても揺るがぬ軸として発揮することで、企業としての持続的な成長基盤がより強固なものになると考えています。
創業の地・徳島において国内外の従業員が参加する研修を継続的に実施しているのも、こうした企業文化の背景や意味を自らの体験として理解し、次の世代へと継承していくためです。自分たちのルーツを肌で感じ、価値観を共有することは、グループの一体感を高めると同時に、環境変化の激しい時代においても確固たる判断と挑戦を可能にし、結果として企業としての競争力と成長力を高めることにつながります。
私たちは、短期的な経済的利益や目先の効率性のみを優先する経営に陥るべきではありません。社会、従業員、顧客といったステークホルダーと誠実に向き合い、長期的な視点で価値を創出し続ける姿勢こそが、企業の必要欠くべからざる資質であり、「品格」の在り方です。その中核にサステナビリティ経営を据え、事業活動そのものを通じて信頼を積み重ねていくことが、結果として持続的な企業価値の向上をもたらすと確信しています。
大塚グループはこれからも、社会課題への真摯な向き合いと事業を通じた価値創造を両立させながら、変化を恐れず挑戦を続けていきます。事業成長と社会価値創出の両輪を確実に回し続けることで、未来にわたり信頼され、必要とされ続ける企業グループでありたい
──その強い意思のもと、サステナビリティ経営を推進してまいります。