医療ニーズへの挑戦

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まだ満たされない医療ニーズへの挑戦

精神・神経領域

精神・神経領域における患者さんの増加は世界的にも大きな健康課題となっています。しかしながら、精神・神経領域には、統合失調症、うつ病、双極性障害、アルツハイマー型認知症等数多くの疾患があるものの、その発症原因は解明されていないものが多く、治療薬の研究開発が難しいといわれています。特に近年においては、うつ病や認知症患者さんなどの著しい増加がみられます。また、治療への満足度も低く、患者さんやその家族、また介護者は新たな治療薬を切望しています。大塚グループは、精神・神経領域を重点領域として取り組み、抗精神病薬「レキサルティ」や「エビリファイ メンテナ」等の治療薬を展開しています。また、精神・神経疾患における未充足な治療領域へのさらなる貢献を目指し、複数の臨床試験が進行しており、2023年5月にはアルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)について米国FDAより効能追加承認を取得しました。この承認により、本剤は米国において本適応を有する初めての抗精神病薬となりました。アルツハイマー型認知症の患者さんの約半数で、暴言、暴力などの行動障害を起こすといわれており、こうした症状は患者さん自身や介護者の負担となり、生活の質にも影響を与えます。また、介護施設へ入居せざるを得ない患者さんの増加や認知症の進行にも関係しており、大塚グループでは、こうした社会課題の解決に向け、挑戦を続けています。

がん・がんサポーティブケア領域

がんは、日本における死因の第1位であり、医学の進歩に伴い診断・治療成績が年々進歩してきたものの、いまだに有効な治療法がなく完治が難しいがんが多いことも事実です。大塚グループは1970年代、当時まだ世界的に汎用されていなかった経口投与できる抗がん剤を開発したパイオニアとしての実績のもと、現在もアンメット・メディカル・ニーズの多いがん領域を重点領域のひとつとしています。これまで臓器別に行われてきた化学療法や分子標的薬による治療に加えて、より一人ひとりのがんの特徴に合わせたゲノム医療や個別化医療へと移行していく流れにも対応できるよう、遺伝子治療や細胞療法など新たな分野にも挑戦しています。今後も革新的な治療薬を一刻も早く患者さんに提供できるよう研究開発に努めていきます。

感染症

結核は、エイズ、マラリアと並ぶ世界三大感染症の一つです。2021年には約1060万人が発症し、約160万人が死亡、その死者数の多さから世界中で診断や治療の改善が待ち望まれています。そのような中、大塚製薬では、40年以上にわたる研究開発の末、結核治療薬デラマニドを創製しました。そして、多くの患者さんがいるアフリカやアジアなど途上国での持続可能な調達を可能とした組織であるストップ結核パートナーシップの「世界抗結核薬基金(GDF)」と連携することで、現地での結核治療薬や診断薬へのアクセスを向上させました。そのほかにも、世界の感染症制圧に向け設立された日本の官民パートナーシップ「公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)」への参加や、「国境なき医師団(MSF)」などが展開するプログラムへの協力、新しい結核治療法の開発に向けた「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の支援獲得、自社が拠点を持たない地域や公衆衛生に強みを持つグローバル企業とのアライアンスなど、多くのステークホルダーを巻き込んだ活動を通じて、世界の人々の健康に貢献するための取り組みを行っています。
大塚製薬では、デラマニドを必要とする世界の患者さんが各国の社会・経済状況や所得水準に関係なく治療を受けられるよう、適正な価格による持続可能な薬剤提供体制の構築に取り組んでいます。このような多角的なアプローチによって、2014年から120を超える国・地域でデラマニドの使用が推し進められ、2016年から100,000症例分を超えるデラマニドを出荷しています。また2021年9月に欧州委員会から小児用分散製剤の承認を取得し、2022年にGDFから供給を開始しています。
さらに、大塚製薬はデラマニドに続く結核治療薬の研究開発を進めています。現在研究開発を進めている化合物は細胞壁の合成に必須となる酵素の活性を阻害して、結核菌を死滅させます。この作用機序はデラマニドを含む既存の結核治療薬とまったく異なるため、既存の耐性菌にも効果があり、次世代の治療薬として期待されています。開発にあたっては、世界の結核撲滅を最重要課題の一つに掲げている「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」からの支援も受け、新たな治療法の確立に向けて開発を進めています。

パートナーシップ

結核撲滅に向けて

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本の高水準の技術とイノベーションを活用して、発展途上国を中心に蔓延する三大感染症や顧みられない熱帯病に対する医薬品・ワクチン・診断薬等の研究開発に資金を拠出するための、日本政府、民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラスト、国連開発計画が参画する国際的な官民パートナーシップです。大塚製薬は、2016年6月よりアソシエイト・パートナーとして参画しています。
また、結核の撲滅を目指し、あらゆるタイプの結核を治療できる新規結核治療レジメン(Pan-TB regimen)の開発を加速するため、慈善団体、非営利団体および製薬企業による業種を超えた世界初のコラボレーション、「結核の新しい治療を加速するプロジェクト」(Pan-TBコラボレーション)に2020年2月より参画しました。

腎臓病への取り組み

常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)は、遺伝子の変異により両側の腎臓に多数ののう胞(液体が詰まった袋)が無数に発生し、腎臓が何倍にも大きくなり、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の難病・希少疾病です。大塚製薬はNPO法人日本腎臓病協会とADPKDに関する包括連携協定を締結し、ADPKDの疾患啓発および診療水準のさらなる向上を図っています。
また、腎臓分野における若手研究者の基礎研究の実用化を目指した共同事業契約を締結し、日本腎臓病協会がアカデミアと企業および行政等が連携しうるプラットフォームとして立ち上げた「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を活用して、アカデミアからの創薬研究テーマの公募を実施しています。採択された研究テーマに関しては、各研究機関と大塚製薬の間で共同研究契約を締結し、研究を行っています。

より多くの患者さんへ医薬品をお届けする取り組み(Access to Medicine)

医薬品アクセスの向上

大塚グループでは、医薬品アクセスの向上に貢献すべく、まだ満たされていないニーズを満たす治療薬や輸液の研究開発に取り組むだけでなく、経済的な問題やその他の理由によって医薬品へのアクセスが制限される方々へのサポートも行っています。
大塚製薬では、Otsuka Global Patient Access Support Policyを制定し、患者さんの治療アクセス改善をすすめています。アジアの国・地域において白血病治療薬「アイクルシグ」を用いたOtsuka Patient Assistance Programを実施しており、保険償還が不十分な場合あるいは経済的な理由で治療費を支払えない患者さんに対して、薬剤提供等による経済的支援を実施しています。

結核治療薬デラマニドのアクセス拡大の取り組み

いまだ世界で大きな課題である結核撲滅に向け、より多くの患者さんに対してデラマニドへのアクセスを拡大する取り組みを進め、2014年から100,000症例分を超える薬剤を多剤耐性結核の制圧に取り組む国々へ届けています。

  • 各国・公的国際機関が展開するアクセスプログラム
  • UNITAID(国際医薬品購入ファシリティー)が展開するendTBプログラム
  • 南アフリカ、インド政府が展開するアクセスプログラム
  • コンパッショネートユースプログラム※1によるアクセス
  • 19ヵ国 233例強の患者さんに供給(ERJ, 2020※2
  • ストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金(GDF:Global Drug Facility)からの供給(2016年2月から)
  • アライアンスパートナーからのアクセス
  • R-Pharm社との提携(対象国:ロシア・CIS諸国など)
  • ヴィアトリス社との提携(対象国:インド・南アフリカ・結核高蔓延国)
  • ※1「命を脅かす疾患などの患者に例外的に未承認薬へのアクセスを可能とする公的制度」
  • ※2Ghosh S et al., Eur Respir J. 2021

治験薬へのアクセスの拡大

既存の治療法では十分な有効性を望めず、また、病気の状態が治験に参加するための基準の対象外となるために、治療選択肢となりうる治験薬の投与を受けることもできないような患者さんがおられます。大塚グループでは、Expanded Access Programを通じて、医師からの申請に基づき定められた条件を満たす場合、治験参加基準から外れた患者さんに対しても治験薬の提供を可能にし、治験薬へのアクセス拡大につなげています。

Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.(OPDC)の取り組み

患者さんが臨床試験に参加されることは望ましいことですが、治験への参加が常に可能であるとは限りません。このような場合、OPDCでは治験薬への患者さんのアクセスを可能にしています。コンパッショネートユースとしても知られるこの方法は、臨床試験での使用以外で、FDAによってまだ承認されていない治験薬を患者さんに提供するものです。OPDCでは、他に有効な治療法がない患者さんを治療している医師からの Expanded Access Programへの要望を受け入れています。

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Taiho Oncology, Inc. (TOI) の取り組み

TOIでは、がん患者さんの新しい治療へのアクセス支援に取り組んでいます。治験への参加を希望するがん患者さん全員にその機会を提供できることが望ましいですが、常に可能であるとは限りません。TOIでは、Expanded Access Programを通じて、医師からの事前承認申請を受け付け、一定基準を満たした患者さんについて、まだ治験段階にある薬へのアクセスを可能にしています。

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患者サポートプログラム

大塚グループでは、一部の国や地域において、患者さんが大塚グループの特定の製品を購入する際に、患者さんや介護者の方々が支援を受けられる様々なプログラムを実施しています。

The Otsuka Patient Assistance Foundation, Inc.
(OPAF) の取り組み

OPAFは、無保険もしくは保険では治療費が十分にカバーされない患者さんを対象に無償で大塚の治療薬を提供する非営利団体です。

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Otsuka America Pharmaceutical, Inc.(OAPI)の取り組み

OAPIが取り組んでいるOtsuka Patient Support™では、患者さん、介護者、医療従事者のためのリソースやツールとサポートチームを組み合わせて、患者さんを支援しています。

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Taiho Oncology, Inc.(TOI)の取り組み

TOIでは、米国において抗がん剤「ロンサーフ」、「INQOVI」、「リトゴビ」による治療を始めるにあたり、保険の確認、治療費の援助、治療計画の支援などのサービスを、患者さん、介護者、医療関係者の方々に提供しています。

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Taiho Pharma Canada, Inc.(TCAN)の取り組み

TCANでは、カナダにおいて医療費償還に関する案内、専任看護師による1対1のサポート、専門的な薬局サービスや宅配サービス、また抗がん剤「ロンサーフ」の治療を開始する際に提供される患者さん、介護者、医療関係者への教育サービスを含む、個別化された患者さん支援プログラム(Conexus Patient Support Program™)を展開しています。

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医薬品の適正価格での提供と医療を取り巻く環境整備に配慮した取り組み

大塚グループでは、医薬品の展開において適正価格での提供等、医療を取り巻く環境整備にも配慮した取り組みを行っています。
例えば、輸液は医療上の必要性が高く、医療現場において長期間にわたり広く使用され有効性・安全性が確立されており、かつ継続的に市場へ安定供給を確保する必要があります。そのため大塚グループでは、輸液を現地製造し、安定供給はもとより、各国での適正価格での提供や雇用創出など、地域社会への貢献にもつなげています。技術力の違いなどから現地製造により医薬品を供給する日本の製薬会社が多くは存在しない中、「富める人から貧しい人まで等しく医療を受けられるように、その国や地域にあった適正な価格で医薬品を提供したい」という考えのもと、現地での輸液製造にこだわっています。

患者さん、患者さんご家族等への情報提供

大塚グループが取り組む製品領域において、患者さん、患者さんのご家族、介護者の方々に、疾患の理解を深めることや、患者さんの診療をアシストすることを目的とした様々な資料や情報を提供しています。

Otsuka America Pharmaceutical, Inc.(OAPI)の取り組み

患者さん、患者さんのご家族、介護者の方々が、疾患についてより理解を深めるための教育用資材をオンラインで提供しています。

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大鵬薬品の取り組み

20~TWENTY~

大鵬薬品は、医療関係者が患者さんを診療する際のアシストとして活用できるさまざまな資材の作成、提供を行っています。2016年より配布している「20~TWENTY~」は、がん治療を受ける方の中でAYA世代(10代、20代)を中心に、またそのご家族・友人など一緒に生活していく方たちに向けてつくられたものです。外見上の悩みに対するHow toだけではなく、どうしたら前向きな気持ちになれるのか、日常生活のなかで乗り越えなければいけないことをどうしたら解決できるのか、そのヒントになればという願いで医療施設に提供しています。

がん患者さんのための妊孕性温存ハンドブック
子供をもつことを考える

2017年には「がん患者さんのための妊孕性温存ハンドブック 子供をもつことを考える」という冊子を発刊しました。近年の医療の進歩によりがんは治癒、もしくは治癒しなくとも、以前より長く生存できる時代になってきたと同時に、妊孕性温存技術も向上しています。この冊子を通して、がん治療前に患者さんが妊孕性温存についての知識を得ることで、将来、子どもをもつという選択肢が残されているということをぜひ知っていただければと思います。そして、その上で納得した治療を受けられることを願っています。

※妊孕性:“妊娠しやすさ”や“妊娠するちから”

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Sozosei財団の設立

米国のグループ会社であるOtsuka America Pharmaceutical, Inc.は、Sozosei(=創造性)財団を2019年に設立しました。本財団は、米国における医療課題の周知、医療・健康関連の情報発信や教育促進、関連団体への貢献等を目的としています。精神・神経領域や腎領域における支援に加え、災害支援活動や地域社会への貢献等を中心に行っています。2021年度には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける患者さんやそのご家族、医療従事者へ対応するため寄付や、自然災害で被害を受けた方への寄付を行っています。

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