人権の尊重
基本的な考え方
大塚グループは、「大塚グループ人権方針」を定め、「大塚グループ・グローバル行動規準」に基づき、バリューチェーン全体で人権尊重の取り組みを推進しています。2016年には国連グローバル・コンパクト、2017年には女性のエンパワーメント原則(WEPs:Women’s Empowerment Principles)に署名するなど、国際的な枠組みを尊重しながら、取り組みを強化しています。
また、従業員、サプライヤーおよびビジネスパートナーに対して、人権尊重の期待事項を明確に伝達するとともに、対話や啓発活動を通じて理解と実践の促進を図り、事業活動およびバリューチェーン全体における人権尊重の徹底に取り組んでいます。
推進体制
当社グループは、人権尊重をすべての事業活動の基盤と位置づけ、大塚ホールディングス取締役のもと「大塚グループ人権タスクフォース」(人権TF)を組織し、主要事業会社*に「人権チーム」を設置しています。人権TFは、大塚ホールディングスのコーポレートマネジメント部(総務・人事担当)、内部統制部、サステナビリティ推進部で構成され、人権尊重の取り組みを推進する人財の育成、人権チームによる各社の課題対応支援、グループ全体における人権デュー・ディリジェンス(人権DD)の推進を担っています。また、経営層および国内外の従業員を対象とした教育研修や社内報などによる啓発活動を通じて、グループおよびバリューチェーン全体での人権尊重を推進しています。人権TFは、人権に関する戦略、方針およびマネジメントプロセスを定期的に確認しています。原則として毎月会議を開催し、各社における人権DDの進捗、人権課題への対応状況、推進体制の実効性などを外部有識者の知見を活用しながらレビューしています。その結果を含むグループ全体の取り組みや課題は、毎年サステナビリティ推進委員会に報告し、同委員会で討議するとともに、重要な人権リスクについては人権推進責任者を通じて大塚ホールディングス取締役会に報告し、経営判断に連動するガバナンス体制を確立しています。審議の結果、見直しが必要と判断された場合には、「大塚グループ人権方針」をはじめ、人権に関する戦略や推進体制、マネジメントプロセスを改定します。このサイクルを継続し、人権尊重の取り組みの実効性の向上と継続的な改善を図っています。
- *大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品、大塚倉庫、大塚化学、大塚食品、大塚メディカルデバイス
2025年サステナビリティ推進委員会報告事項
- グループ横断のサステナビリティ重点課題に関する目標・進捗および課題
- 主要事業会社における重点課題の対応状況とベストプラクティスの共有
- 従業員エンゲージメント向上施策の進捗ならびに組織文化醸成にむけた取り組み

人権に関する重点課題と取り組み
2019年から大塚ホールディングスおよびグループ主要事業会社*に人権アセスメントを行い、その結果などをもとにステークホルダーの皆様への約束として「大塚グループ 人権に関する重点課題」を定めました。当社グループは人権に対する負の影響を特定し、その防止および軽減に継続的に取り組みます。
- *大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業、大塚倉庫、大塚化学、大塚食品、大塚メディカルデバイス
すべての役員と従業員に向けて
当社グループは国連グローバル・コンパクトの原則の労働分野が強制労働の撤廃、児童労働の廃止を含んでいることを理解し、人権を尊重した働きやすい職場環境づくりを目指します。差別やハラスメントのない、公平でオープンかつ平等な職場を築くため、ハラスメントに関する一切の行為を強く禁止し、排除します。また、「健康」に重きをおく生命関連企業として、「健康経営」の視点をふまえ、すべての役員と従業員自らが健康の維持・増進に努めることのできる職場環境の整備に努めます。
患者さん、生活者の皆様に向けて
当社グループは、革新的な製品で世界中の人々の健康に貢献します。生命関連企業の責務として、健康課題の解決に向けて、常に患者さんや生活者の皆様のことを第一に考え、製品の品質安全性を最優先にした事業活動に取り組み、強固なサプライチェーンで製品・サービスを供給します。製品やサービスに問題が発生した場合は、速やかに関連部署の連携のもと情報収集と調査を行い、適切な対応とよりよい製品・サービスの提供に努めます。
ビジネスパートナーに向けて
国連グローバル・コンパクトの原則に則り、人権・労働・環境・腐敗防止への配慮をビジネスパートナーと共有し、人権尊重を求めるとともに対話や協議を継続的に行います。
地域・社会に向けて
当社グループは、環境課題は人権尊重に関わりが深いものであることを認識し、事業活動全般を通じて地域・社会に配慮した取り組みを積極的かつ継続的に行います。
すべてのステークホルダーに向けて
当社グループは、人権尊重の取り組みの推進にあたり、多様なステークホルダーとの対話が重要であると認識し、その機会を積極的に設けるとともに、救済のための窓口の整備に努めます。
子どもの権利に対する取り組み
当社グループは、国連グローバル・コンパクトの原則を支持し、事業活動およびバリューチェーン全体において児童労働を禁止しています。また、子どもの権利への負の影響の防止に努めるとともに、人権DDを通じて関連リスクの特定、評価、予防および低減に継続的に取り組んでいます。
国内外における児童労働の撤廃だけでなく、子どもが有する①生きる権利、②守られる権利、③育つ権利、④参加する権利を尊重しています。次世代を担う子どもたちの健やかな成長を支えることは、当社グループの企業理念や事業にもつながる重要な取り組みであり、子どもの権利を尊重するさまざまな取り組みを推進しています。
活動事例
- OTSUKAまんがヘルシー文庫(大塚ホールディングス)
- 食育・教育活動(大塚製薬)
- 地域や学校での熱中症対策講座(大塚製薬)
- 発展途上国の図書館建設・識字教育への支援(大塚倉庫)
- 小学生向け学習教材の制作提供(大塚食品)
外部との連携
当社グループは、国連グローバル・コンパクト署名企業として、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)のヒューマンライツデューデリジェンス分科会*1、人権教育分科会*2、サプライチェーン分科会、WEPs分科会*3に参画し、参加企業・団体との情報交換や相互協力による連携、当社グループのサステナビリティ実現に向けた取り組みのより一層の推進を行っています。
- *1国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デュー・ディリジェンスへの取り組みを共に学ぶ有識者講演、自社の取り組み進捗評価、ワークショップ、グループワークなどを通して、各社の取り組みを推進する。
- *2『ビジネスと人権に関する指導原則』の基礎知識の学習、有識者講演や他社事例研究などを行い、参加者との交流を通じ、人権教育の理解を深め、参加者全員で社内展開できる教育用ツール作成をする。
- *3GCNJ署名企業の国際競争力向上、ひいては日本社会のジェンダー平等の底上げに貢献するWEPs7原則を参照し、参加企業各社の自社での具体的な取り組みに役立つ活動や発信を行う。
人権デュー・ディリジェンス
当社グループは、人権尊重の責任を果たすため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、事業活動における人権への負の影響を特定し、その予防・軽減に継続的に取り組む人権DDを実施しています。2025年には大塚ホールディングスの従業員を対象にアセスメント*を実施しました。重大な人権リスクは確認されませんでしたが、ハラスメントや労働時間について潜在的なリスクが示唆されたため、経営層へ報告のうえ、教育研修の強化に着手しています。また、大塚倉庫においても同年にアセスメントを実施し、その結果を受けて長時間労働やハラスメントへの対応として社長直轄の人権推進部署を新設し、経営層および管理職の意識改革研修やオンライン目安箱の設置を行いました。大塚製薬では、2026年以降本社部門などから順次アセスメントを拡大する計画です。人権DDで特定または示唆されたリスクには実効的な対策を講じ、定期的なヒアリングなどで効果検証を継続していきます。
- *法務省の指針に基づく人権リスク分類をもとに、企業の人権リスクの程度を定量的に把握するとともに、その発現要因の一つである「心理的安全性」および「アンコンシャス・バイアス」を測定することで、組織風土や行動特性の可視化を図るアセスメント
人権救済メカニズムの構築
当社グループは、ビジネスと人権における負の影響について、すべてのステークホルダーとの対話を重視し、独立した外部有識者の知見も得ながら、誠意を持って対応しています。「大塚グループ・グローバルスピークアップポリシー」を制定し、制度の透明性と有効性の向上に努め、各社に内部通報制度に基づいた社内通報窓口を設け、契約社員・パート・アルバイトを含む全従業員からの通報を受け付けています。社外向けには、ビジネスパートナーや医療関係者などをはじめ、患者さん、地域・社会の皆さまからの意見を受け付ける窓口を設けています。各窓口の運用状況は定期的に取締役会へ報告し、ステークホルダーとの信頼関係の構築を通じ、持続的な事業基盤の構築に努めています。通報・相談を受けた案件については、公正かつ適切な調査・事実確認を実施し、必要に応じて是正および救済措置を講じるとともに、原因分析に基づく再発防止策を実施することで、継続的な改善と再発防止に取り組んでいます。

通報窓口
内部通報窓口
当社グループでは、各社に内部通報窓口を設置し、贈収賄行為を含む不正行為や法令違反、規則違反等を早期に認識し是正を図るよう努めています。通報は、社員のみならず、契約・派遣社員、パート・アルバイトからも受け付けるとともに、社内に加え弁護士事務所などの社外にも通報窓口の設置を行っています。匿名でも利用できるようにすることで、通報者が報復を恐れることなく安心して利用できるよう配慮しています。また、通報者や通報に関する情報は厳重に管理し、通報者が不利益を被らないよう、適切な調査や是正処置を行う必要性を踏まえたうえで、対応上どうしても知る必要のある人以外には共有されません。グループ各社の内部通報制度の運用状況については、大塚ホールディングスの取締役会に定期的に報告しています。また、グループ全体に重大な影響を及ぼすおそれのある事案や、各社の窓口では相談しづらい事案等については、大塚ホールディングスに設置した「大塚ホールディングスグループホットライン」において相談・通報を受け付けています。
大塚グループ・グローバルスピークアップポリシーの制定
大塚グループでは、不正、不適切な行為、グループの価値観、方針、プロセスに沿わない行為、または疑わしい行為を認知した際に、その行為について報告する内部通報制度の基本原則を明確化し、制度の実効性を高めることを目的に「大塚グループ・グローバルスピークアップポリシー」を制定しています。
(基本原則)
・誠実に報告する権利と義務
・情報の厳格な取扱い
・匿名通報の受入れ
・報告者への報復の禁止
外部からのお問い合わせ・通報窓口
当社および主なグループ会社では、ビジネスパートナーや一般のお客さまよりご質問・ご意見を承る窓口を設置しています。
・大塚ホールディングスに関するお問い合わせ窓口
大塚グループ各社へのお問い合わせは、各社ウェブサイトよりご利用ください。
・取引先、ビジネスパートナー向け相談・報告窓口(匿名でのご相談・通報も受け付けています)
